家族葬を行う理由

家族葬といっても様々な問題があります。これから家族葬をする方へガイド的なブログとなっております。

なぜ家族葬が広まっているのか?

簡略化されていく葬儀

かつては、誰かが亡くなると近所の人も集まって、お通夜やお葬式の準備を行います。自宅を片付けるところから始まって、白黒の鯨幕を張ったり、提灯をぶら下げたりと大変な準備です。さらに親族も集まってきて、お通夜から泊りで葬儀も参列します。当然ながら、その食事の準備も大変で、大きな鍋やプロパンガスで外でも煮炊きするような状態でした。弔問客が休めるように隣近所の家も借りて行うのが葬式でした。

しかし、今は、都心部で離れた場所の出身地の夫婦も当たり前で、親族も全国各地に散らばっている状態になっています。仕事の勤務形態もばらばらになってきていて、葬儀と言えども、なかなか集まれない親族も多くなっています。特に、お通夜とお葬式が二日に渡って行うとなると、とても両方に参列するというのは不可能です。

そういう事情もあって、今は、お通夜とお葬式を一緒に執り行うことが多くなり、しかも、マンションやアパートが多くなって自宅では葬儀が行えなくなっています。近所付き合いのないマンション暮らしになると、多くの弔問客が出入りすることやお坊さんが出入りすることを嫌がる人もいますし、中には、線香の煙やニオイが嫌だとクレームをつける人もいます。マンションのエレベーターでは棺桶が乗せられないので、斜めにして無理に入れるとか、大人が何人も汗だくになって階段を下ろすといった笑い話のようなことも起きています。

そのために、葬祭場を借りて、お通夜も葬儀も2時間ほどで終えるといったケースが増えてきています。

家族葬が増えてきている背景

しかし、一方で簡略化される葬儀のために、故人としっかりとお別れすることができないという家族が増えているのも事実です。お通夜や葬儀の手続きだけでなく、家族が亡くなると、それ以外にいろいろな手続きが待っています。特に、金融機関は名義人が亡くなったことが判明すると、口座を凍結するので口座引き落としがたまたまかさなると面倒なことになってしまいます。いろいろなことに追われて、気が付くと葬儀もなにも終わっていたということにもなりかねません。

また、親族も遠くにいる人が多いことや、知人・友人もどこまで声をかけていいのか迷ってしまうこともあり、最近は、家族だけで故人を偲ぶ時間を持ち、しっかりとお別れしたいという希望が増えています。

平均寿命も延びてきて、高齢者も知人や友人といってもお互いに葬儀にいくのも大変になってきていることや、残された家族に負担をかけたくないという想いから、ひっそりと家族だけでの葬儀を希望する人も増えています。

そのような事情から、だんだん家族葬を行う人が増えてきています。